[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
読んでて、芸人さんのエッセイって感じがしないんですよね。芸人さんって、もうちょっと自分を前に出すというか、言葉の端々に「いかに自分が面白いか」のアピールを感じることが多いのですが、にしおかすみこの文章って、周りの面白い人の話や、自分が面白い状況に陥ったという話が多くて、あまり自分のアピールがないんです。いや、もしかしたら、アピールしているのに、足りないだけかも(笑)。
にしおかすみこって、たぶんいい人なんでしょうね。天然で周囲と調和する方向に行ってしまって、あまり自分を主張できないような感じ。女王キャラも、このエッセイ読むと、本人よりスタッフの方が確実に盛り上がってますし。物事に対する感覚としては芸能人というより普通の人なんだろうなと思います。いや、普通の人は高校のときに一輪車で登校なんてしないか(←しかも、ウケ狙いではなく普通にやっている)。
特別対談で団鬼六とにしおかすみこの対談も収録されているのですが、意外なことに団鬼六も結構SM小説を仕事だって割り切っているんですね。もちろん小さい頃から、Sっ化を持っている人ではあるんだけど、SM小説を書くようになったのは、にしおかすみこが女王キャラになったのと同様に、「そちらの方が売れるから」と。
全体的に、ブログのようにだらだら書いている感じがなく、まとまっていて読みやすかったです。
<関連リンク>
にしおかすみこWikipediaの項目
和洋国府台女子高校出身有名人にしおかすみこの出身高校
青山学院大学出身有名人にしおかすみこの出身大学
麒麟・田村裕の子ども時代の話「ホームレス中学生」を読みました。
田村裕は1979年生まれなので、中学二年生のときは1993年。バブルも崩壊した後なので、そんなこともあるのかなあと思いながら読んだのですが、お母さんが癌で亡くなった直後に、お祖母さんも亡くなって、その上お父さんも癌が見つかって、、、と、本当に悪いタイミングで病が田村家を襲った上でのホームレス生活だったんですね。
お父さんを恨んでいない、という田村裕の言葉は、きれいごとではなく、確かにお父さんのせいにするには、お父さんも不幸すぎる。。。
この本は、やっぱり芸人さんの書いた本だから、面白おかしく書いているけど、実際には相当辛かったでしょうね。「明るく過ごして頑張る」なんていうより、「自分の状況を忘れるために明るくふるまうしかない」みたいな。
それに、周囲の助けてくれた大人たちがすごいと思います。たぶん、そういう手助けがあるくらい、その前からいいご近所付き合いをしていたんでしょうね。
あと、この本を読んだ人なら多くの人がチャレンジしようと思うんじゃないかと思うのが「味の向こう側」。御飯をずっと噛んでいると、最初甘いのが段々味がなくなって、なくなって、なくなって、、、、の後に、すごくおいしい味がするらしいんです。私もやってみたけど、噛んでいくうちに飲み込むというか溶けていってしまうので、そこまでたどり着けません。「味の向こう側」にたどり着くには、相当な訓練が必要ですよね(笑)。
本にも書いてある通り、お母さんの自慢の息子になれるよう、もっともっと田村裕が、そして麒麟が活躍するといいですね。
<参考>
ホームレス中学生
田村裕
大阪府立吹田高校出身有名人
毎日新聞に連載した「やまだ眼」を単行本化したものです。山田一成のネタに、佐藤雅彦が解説をつけるというスタイル。
佐藤雅彦によると山田一成の笑いというか、いつもここからのネタは、他人を笑うネタたではなく、自分を晒しだすネタとのこと。確かにこの本の中にあるネタを読むと、「こんな人っているよね」より「こんなことって誰にでもあるよね」って感じ。
「知り合いの家の前を通ると別に用はないけど部屋の明かりを確かめる」とか「木目がプリントだと別に性能に関係なくても何かがっかりする」とか、確かにって思いません?
中には「これは自分は思わないな」とか「気にしないな」というものもあって、それによってまた自分の性格がわかったりしますね。「賞味期限切れの食べ物を冷蔵庫の中で見つけても、その時処分する気になかなかなれない」というネタがあるのですが、私は見つけたら即捨てますし(笑)。
お笑いネタ本というよりは、意外と自分を見つめることになる本だと思いました。
<関連リンク>
いつもここからWikipediaの項目
東京都立松が谷高校出身有名人山田一成さんの出身高校
国士舘大学出身有名人山田一成さんの出身大学
『板尾日記』を読みました。タイトル通り、日記です。笑える文章とか、あえて外した文章とか、じゃなく本当に素の日記という感じ。2005年1月1日から12月31日まで、数行の日記がただただ続きます。公にできないこと(そんなにはないんですけど)は、わざわざ活字にした上で塗りつぶしてあるという凝り様。
そのせいか、お笑い芸人の文章を読んでいるというより、役者さんの日記を読んでいる感覚になります。実際、板尾創路って、役者活動も多いですしね。例えば、禁煙した記念に買った時計を見て「俺の禁煙している時間を刻んでいることになる」とか書いてるんです。何か格好いいでしょ(笑)。
もちろん、お笑いのこともちらほら書いています。2005年というのは、「ケータイ大喜利」が特番として放送されてから、レギュラー番組になる期間のようなのですが、この「ケータイ大喜利」に対する板尾さんの評価している点とダメ出ししている点が、板尾創路のお笑いに対する考え方が出ていて、面白いです。
でも、日記の大部分は、熱い語りじゃなく、さらっと書いた感じ。実際には大変な思いもいろいろしているはずなのに、ふわっと過ごしているというか…。日記を見る限り、オフなんて、ボーっと過ごしていること多いですし。
それでいて、妙に行動が早い部分もあるんです。近視のレーザー治療(今でいうレーシック?)を2月4日に東野幸治から聞いて、その日の日記に「ちょっと調べてみよう」と書いてあるんですけど、その後ずっとその件については何も書いてなくて、3月8日に急に手術を実際に受けちゃうんです。
あと、私から見て、板尾創路っぽいと思ったのが、交通事故を目撃した日の日記。車が人をはねちゃった事故で、車も止まったし、人も集まってきたので、大丈夫だろう(=運転手が逃げたりしない)と特に手出しはしないものの、念のため加害者の車のナンバーを控えておくんです。前面には出ないけど、要所を押さえておくのが、板尾創路っぽいなあと思いました。
こんな感じで読めば読むほどいろんな面が見えてくる。「こんな人」って一言で語れないんです。テレビ番組で私達が見ているのは、板尾創路が「俺はこの番組ではこんな人として求められている」と演じている部分にすぎないことを思い知らされます。
品川さん自身、主人公の少年と同様、私立中学から公立中学へ転校、その後進学した高校を退学しているので、品川さんがモデルの小説なのでしょう。ケンカはそんなに強くないのに、口が達者な主人公は、まさに「おしゃべりクソ野郎」(笑)。読んでて、中学生の品川さんを勝手に想像しちゃいます。
ただ、小説としては、登場人物が不良たちばかりでキャラが似通っていたり、主人公がピンチになってからそのピンチを抜け出すまでの間がやけに短かったり、ちょっと単調なんです。もっと女の子や不良じゃない子とからませたり、ピンチをもっと長くした方が、小説としても面白いし、読者も増える(女性も楽しめる)と思います。
品川さんって、そういうところかなり計算しそうな人だと思っていたのですが、こういう点での小説のうまさは、劇団ひとりさんの『陰日向に咲く』の方が上だと思いました。
この辺、自分をモデルにするんじゃなくて、一から創造するストーリーの方が、そういうところを計算して書けるような気がするのですが、品川さんはそういう小説は書かないのかな。品川さんの「おしゃべりクソ野郎」らしさは、自分が前に出たがるところにあるので、やっぱり自分をモデルにした小説になっちゃうのはしょうがないのかな(笑)。
<関連リンク>
品川祐Wikipediaの項目
東京都立足立西高校出身有名人品川ヒロシさんが進学し、中退した高校